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~戦争遺跡を史跡・文化財に、 語り伝えよう戦争のこと~

松代大本営(長野市)
松代大本営(長野市)

 

 各地の戦争遺跡保存団体、文化財保存全国協議会、歴史教育者協議会などを中心に、団体や個人が集い、1997年に「戦争遺跡保存全国ネットワーク」が結成されました。

 

 私たちは、戦争遺跡の調査・研究・保存運動、平和資料館、平和教育などについて情報交換をするために、「戦争遺跡資料」の刊行、「戦争遺跡保存全国シンポジウム」の開催などをおこなっています。

 

 一緒に活動しましょう。申し込みは事務局(きぼうの家)またはwebへ。

第23回 戦争遺跡保存全国シンポジウム熊本大会

 2019年8月24日(土)~26日(月)に戦争遺跡保存全国シンポジウム熊本大会が開催されました。

 完璧な大会運営をして頂いた高谷事務局長をはじめ現地の皆さま、本当にありがとうございました。

 来年の第24回大会は東京都東大和市です。市民と行政が連携されている素晴らしい取り組みに学びましょう。

基調報告(出原恵三・共同代表)
基調報告(出原恵三・共同代表)
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基調報告(出原恵三・共同代表).pdf
PDFファイル 594.1 KB

 大会にはサプライズゲストとして、知事より忙しいと言われるくまモンが来てくれて、会場を盛り上げてくれました。

コピーライトマーク2010熊本県くまモン

主催者挨拶(堀 浩太郎・実行委員長)
主催者挨拶(堀 浩太郎・実行委員長)
地域報告(高谷和生・現地事務局長)
地域報告(高谷和生・現地事務局長)
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地域報告(高谷和生・現地事務局長)
熊本大会地域報告・熊本の現状と震災からの復興:7/9版.pdf
PDFファイル 162.2 KB
全体会閉会挨拶(十菱駿武・共同代表)
全体会閉会挨拶(十菱駿武・共同代表)
記念講演「熊本城と軍都熊本」(猪飼隆明さん)
記念講演「熊本城と軍都熊本」(猪飼隆明さん)
閉会集会
閉会集会

コピーライトマーク2010熊本県くまモン

全体会に参加された皆さんが、くまモンと一緒に記念写真を撮りました。

いつもと年齢層の違う方たちに囲まれて、くまモンもビックリしていたかも知れませんね。


大会アピール

「戦争遺跡を保存活用し地域に根ざした平和活動の前進を」

  2019年8月24・25・26日、熊本市国際交流会館を会場に、延べ350名の参加の下で第23回戦争遺跡保存全国シンポジウム熊本大会が開かれました。大会の開催にあたり、ご後援いただいた熊本県、熊本県教育委員会、熊本市、熊本市教育委員会、報道各社、ならびに関係諸団体に対し心より感謝申しあげます。
 開催地となった熊本は、1871(明治4)年の鎮西鎮台の設置に始まり、熊本鎮台、第六師団と名称を変えながら、軍都としての歴史を刻んできました。また、国内での最後の内戦となった1877(明治10)年の西南戦争では熊本城を中心に県内各地で激しい戦闘が繰りひろげられました。こうした西南戦争に関わる戦争遺跡は、「西南戦争遺跡群」として国史跡に指定されているほか、各地の官軍墓地などが県や市町村の指定を受け、その数は14件に上ります。アジア太平洋戦争期については700件を超える戦争遺跡の存在が明らかになっていますが、文化財指定を受けたものは「花房飛行場給水塔」(菊池市指定有形文化財)、「永山の掩体壕」(あさぎり町登録文化財)の2件と、合志市による指定が進められている「黒石原飛行場奉安殿」にとどまっています。県内各地に建設された多くの陸海軍飛行場、砲台、「震洋」などの特攻艇基地の存在は、九州における本土決戦態勢のあり方を物語る重要な戦争遺跡です。これらを含め未指定の戦争遺跡についても早期に調査・保存・指定がおこなわれるよう、熊本県をはじめ関係自治体に要望いたします。
2016(平成28)年の熊本地震では多くの文化財が被災し、隈庄飛行場油倉庫などのように解体を余儀なくされる戦争遺跡も現れました。市民による懸命な「戦争遺跡・戦時資料レスキュー」の事業が展開され成果をあげましたが、多発する自然災害から文化財や戦争遺跡をどう守るのか、私たちに新たな課題と教訓が与えられました。いま熊本県内では、「戦争と平和のミュージアム」を設立し「地域をつなぐ平和活動」を広げようという運動が広がっています。戦争遺跡を通じて戦争の真実を伝え、真の平和を創造する力とするため、こうした県内の取り組みが更に前進することを切望するものです。

 

 史跡・文化財として指定・登録された戦争遺跡は、2019年8月現在296件を数えました。マスメディアも戦争遺跡に注目し大きく取り上げています。全国シンポジウムが初めて開催された1997年にはわずか数件であったことからすると、20年余の間に戦争遺跡保存の意義が広く国民に認められてきたことは明らかです。また、沖縄県、愛知県、滋賀県、福岡県などで独自に精密な遺跡分布調査が実施されたことは大きな前進と言えます。敗戦から74年が経過し戦争体験者は人口の数パーセントへと急減するなかで、「語り部」としての戦争遺跡が果たす役割はますます大きくなっており、戦争遺跡を消滅・改変の危機から救うことは、国民的な急務となっています。都道府県や各自治体においては、こうした施策にならい戦争遺跡の所在調査と保存、史跡・文化財への指定を進めるよう求めるものです。文化庁の『近代遺跡調査報告書⑨(政治・軍事)』は、沖縄戦に関わる記述をめぐって政治的な圧力が加えられたことで、発刊の見通しが立たないまま14年が経過しました。私たちは文化庁に対し、政治的な圧力を排し、客観的、科学的な内容に基づく報告書を一日も早く刊行することを、引き続き強く求めます。

 

 戦争遺跡への関心が高まりを見せている一方で、近年、その保存のあり方や活用方法などをめぐって、多くの課題や問題点が指摘されています。旧日本軍の顕彰を目的とするような「軍事博物館」的資料館、戦争遺跡が形成された過程や歴史的背景を無視し戦争の一面のみを切り取って美化したり肯定的に描き出す手法、また戦争遺跡の解説文において加害の文言が削除されたり、事実を歪曲・捏造する表現が用いられるなどの例が数多くあげられます。このような行為は、戦争遺跡の持つ資料的価値、評価を著しく低下させるものです。戦争遺跡の保存と活用の目的は、加害・被害・抵抗の側面から戦争の実相と悲惨さを次世代に伝え「誤った戦争を何故おこしてしまったのか」ということを想起させることにあり、同時に東アジアの歴史の中に位置付けられ共有されうるものでなければならないと思います。
平和憲法の危機が叫ばれるいまこそ、平和な世界の実現に向けて奮闘するすべての人々と手をつないで私たちの運動を進めることを確認し、大会アピールとします。

                                                                              
              2019年8月25日 第23回戦争遺跡保存全国シンポジウム 熊本大会

 

 「熊本大会アピールについての経過・補足」

全国ネットワーク事務局長 幅国洋

 

  昨年度の豊川大会のアピールでは、戦争の美化や集客目的での戦争遺跡の利用といった「憂慮すべき傾向」を、具体的な自治体や資料館などの名前を挙げて指摘しましたが、その後このアピールを誹謗するブログがインターネット上に流れていたことがわかりました。趣旨はこのアピールが「一部の意見」に過ぎないものであるというもので、ブログ筆者が後援した自治体に対してアピールの内容についての見解を問うたことも紹介されていました。
   運営委員会は、アピール文の文責を負う全国ネットに対しては直接の問い合わせもないまま、後援自治体に対し非難めいた問い合わせをおこなったことは、戦争遺跡保存運動を中傷し委縮させる意図を持ったものであると考えます。
  今年度、熊本大会でのアピールを巡っては、数度にわたり運営委員会と現地実行委員会の会合を持ち慎重に検討しました。要点は、昨年のように固有名詞を記載するか否かにありました。議論を重ねた結果、①旧軍を顕彰するような資料館や、戦争遺跡を美化する傾向は昨年名前をあげて指摘した二つの自治体にとどまるものでなく、問題点が指摘されている全ての資料館等の名前を挙げることは不可能である。②アピールで指摘するだけでなく、個別の資料館等への申し入れや働きかけをネットワークの活動として取り組むことがより重要である。③昨年のアピールの趣旨から後退するものではないが、無用な混乱を避けるために個別の自治体名や資料館などの記載はしない。④この間の経過、アピールの趣旨を閉会集会で参加者に伝え了解を得るとともに、全国ネットのホームページ等でもコメントする。

  以上の諸点を確認して最終案とし、閉会集会で決議されたことをご報告します。