各地の取り組み(近畿)

最終更新は2023年10月24日です。


明治期のドーム型砲台の保存を!   兵庫県南あわじ市

朝日新聞デジタル版より転載
朝日新聞デジタル版より転載

 兵庫県南あわじ市の門崎(とざき)砲台跡から、ドーム型の構造物が検出されました。

 砲台は明治期に作られましたが、その後埋め立てられて上に灯台や道の駅が作られました。今回、道の駅の改築に伴う発掘調査で構造物が発見されました。朝日新聞によると構造物はコンクリート製で、幅13m、高さ7m、奥行14mの巨大なものです。

 市は、道の駅を改築する際にこの遺構を破壊する予定です。

 愛媛の研究者から情報を頂き、保存要望書を出せないかという相談を頂きました。

 戦跡ネットとして8月18日の現地説明会に参加しました。9月17日の戦争遺跡保存全国シンポジウムで要望書をまとめ、南あわじ市へ要望書を提出しました。

新刊のご紹介『日常と地域の戦争遺跡』(大西 進さん)

 河内の戦争遺跡を語る会の大西進さんから新刊『日常と地域の戦争遺跡』の案内が届きました。

 

 大正飛行場を中心に大阪河内地域の戦争遺跡を丹念に調査されて来た大西さんが、10年前に発刊された『日常の中の戦争遺跡』の続編として刊行されました。注目の一冊です。

 

 本のご注文は図書出版批評社℡03-3813-6344、fax03-3813-8990までお願いします。

 また、本の問い合わせは編著者の大西進さん(072-933-6202 fax兼)までお願いします。

 ちなみに2020年の記事ですが、「カンテレ 報道RUNNER」にも紹介されていますので、あわせてご覧ください。

 

屯鶴峯地下壕の見学会に戦跡ネットも参加 東壕も見学

2022年5月5日(木) 平和のための香芝戦争展が開催

 すばらしい戦争遺跡である奈良県香芝市の屯鶴峯(どんづるぼう)地下壕は東側地下壕と西側地下壕があります。

 東側地下壕は京都大学が地震調査のために使っていて普段は見れませんが、この日は京都大学に公開してもらいました。

 戦跡ネット運営委員会にも見学会のお誘いを頂き、出原共同代表、幅事務局長、岩脇の3名が参加しました。

 見学会には長年調査をされている塚崎昌之さんと田中正志さんも参加され、貴重なお話を聞くことができました。

西側地下壕(奈良・西田 敦さん撮影)
西側地下壕(奈良・西田 敦さん撮影)
東側地下壕(奈良・西田 敦さん撮影)
東側地下壕(奈良・西田 敦さん撮影)

 今回は東側地下壕と西側地下壕を合わせて見学でき、地下壕の違いもわかりました。東側地下壕は航空総軍の通信施設、西側地下壕は司令部と考えられ、皇族の居住区域もあった可能性が高いです。西側地下壕の近くには皇族用と考えられる建物もあったそうで、その跡地と思われる平坦地も確認されています。

 平和のための香芝戦争展では40代の方々が精力的に調査をされていて素晴らしいです。今後の活動も楽しみです。(文責 岩脇)


屯鶴峯地下壕の見学会を開催(平和のための香芝戦争展)

 2021年11月7日(日)に、屯鶴峯(どんづるぼう)地下壕の見学会が開催され、約30名が参加されました。

 屯鶴峯地下壕は東と西に地下壕群が分かれていますが、この日は西側地下壕を見学しました。

 非常に保存状態が良く、歴史的にも興味深いこの戦争遺跡をこれからも注目していきたいです。見学の希望は西嶋さん((090-3618-5681)まで。

 西側の地下壕は建設途中のようですが、長方形型の地下壕が整然と碁盤目に並び、掘りやすく崩れにくい地質で崩落も少なく、すばらしい戦争遺跡でした。

 この地下壕の中で朝鮮王族のイ・ウンに会ったという証言があり、地下壕近くには「3棟の豪壮な建物」があったそうで注目されます。

 最近の調査で、建物の敷地の可能性のある平坦地3ヶ所が確認され、大量のコンクリートやレンガ、便所跡などが見つかりました。

 平坦地3ヶ所も今回見学することができました。

平坦地に散布するレンガ片など
平坦地に散布するレンガ片など

屯鶴峯地下壕 調査報告会を開催(平和のための香芝戦争展)

2021.10.31.  ふたかみ文化センター(奈良県香芝市)

 屯鶴峯(どんづるぼう)地下壕は奈良県香芝市と大阪府太子町にまたがる山間部に作られた大規模地下壕で、東西2つの地下壕群に分かれています。

 今回は、西側の地下壕群近くで確認された建物跡について詳しく報告が行われました。

  以前から「西の地下壕の上に三棟の豪壮な建物があった」「ここで朝鮮王族のイ・ウンに会った」という証言がありましたが、具体的な場所は不明でした。 

 ところが、最近の調査で3ヶ所の平坦地などに大量のレンガやタイル、便器、食器類が散布していることがわかり、当時の建物跡の可能性が強くなったということです。

表面採集されたレンガ、タイル、食器など
表面採集されたレンガ、タイル、食器など
40代の3名の方が意欲的に調査をされています。
40代の3名の方が意欲的に調査をされています。

 屯鶴峯地下壕は本土戦に向けて航空総軍が準備したものですが、御座所のような立派な建物や皇族・朝鮮王族の話が残るなど、単なる地下指揮所とは違い、松代大本営を連想するような側面があります。これからの調査に期待したいです。

 意欲的に調査を進めているのが40代の3名の会員というのも、次世代への継承という面からも注目したいです。

 

 11月7日と14日は現地見学会、12月5日には約30年行われてきた東側の地下壕調査についての講演会が開催されます。

 詳細については、西嶋さん(090-3618-5681)までお問合わせ下さい。